ディアディザウルス(体力)

妙にけだるくそして眠かった。
霞んだ視界には上空を舞う腐肉獣の姿がおぼろげに映っている。
疲労も空腹感も全てが虚ろになり何の苦痛も感じられはしない。
自分が死につつあるという意識があなたに僅かな恐怖をもたらす。
だが四肢は完全にマヒし動くことは出来なかった。
あいつらは、空を飛んでいるヤツらは俺を喰うつもりなのだろうか?
弛緩した意識の片隅であなたはぼんやりと死を悟っている。
不思議に心が落ち着き恐怖は遠ざかって行った。
オレ・・喰われる・・奴らは生き残る・・俺奴ら喰う・・俺生き残る・・・
どちらも大した違いはなそうだった。
死ぬものもそれを餌として生き残るものも結局最後には自然の摂理の中で
滅んでいかねばならないのだ。
ギラギラと輝く太古の太陽に照らされ、あなたはディアデザウルスは静かに
目を閉じた。
カニメイエリア(体力)

あれからかなりの年月が経った。
あなたは湿地帯の環境に適応し、仲間は除々に増えていった。
時折凶暴な他種族に襲われ餌食となるものもいたが、
あなたの種族の旺盛な繁殖力はそれを補って余り在るものだった。
だが幾たびか巡り来た地殻の変動と天候の激変に住やすかった湿地は
除々に乾燥していったのだ。
そして残念な事にあなたには新たな環境に適応する力は残されていなかった。
飢えと渇きで動くことさえ出来なくなったあなたの身体は周囲の大地と一緒に
少しずつ乾燥し化石となっていく・・・
あなたが再び太陽の光を見るにはまだかなりの時間が必要だろう。
そしてそのときあなたの骸を掘だした生物は初めてあなたに名前を
つけてくれるのだ。
「これが初期の哺乳類型爬虫類、カニメイエリアです」
泉の水を五回飲む

数百万年の時が流れた。
肉体を失いドロドロの液体と化したあなたにとって強い太陽光線にさらされる
地上の暮らしは苦痛以外のなにものでも無かった。
地下へ・・あなたと僅かばかりの仲間達は陽の射さない地下へと追い詰められて
行った。
暗く冷たく、そして静寂だけが満ちた世界があなたの生きられる唯一の
場所だったのだ。
雌雄の区別はとうの昔に無くなり、種族を増やすには太古の原生生物の様な
細胞分裂しか方法が無くなっていた。
昆虫や小動物、苔や藻までを養分として吸収出来るあなたの種族は
飢えることもなく生き長らえていった・・・
地上では幾多の変動が起こり多くの種が生まれては滅んでいった。
だが常闇に包まれた地下の暮しは何の変化も無く、何の進化ももたらしては
くれない。
そして時折地上から紛れ込んでくる生き物の内で一番知恵のある者達は
あなたがたをこう呼ぶ様になっていた・・・・
・・・スライムと・・・